父と2人で通った断酒会

「蛙の子は蛙」か

父と2人で通った断酒会

 現在私は、5歳の娘と実母との3人暮らしを送っている。日々穏やかに暮らせる喜び、普通であることの幸せを噛みしめながら……
 私は子供の頃の出来事を思い出したくない。消せるものなら私の過去から消してしまいたい。そうしたら、アル中にはなっていなかったかも知れない、と思う時がある。小

学校時代の自分の記憶をあまり思い出せない。家族との楽しい旅行や学校行事の思い出も、嬉しかったことも何も思い出せない。ただ思い出すのは、いつも父親が酒を飲み母

親とけんかしては物が飛んでいたこと。一番衝撃だったのは、父親が包丁を持って母親を追いかけている姿を見た時だ。母親は私の手を握り、裏山へと逃げる。「お母さんが

殺される!」そんな気持で、無我夢中で母親と一緒に走っていた。
 どれくらい経ってからか、家へもどるとまた酒を飲んで父親は寝ていた。酔いから覚めるとまたけんかがはじまり、父親は今度は、母親の背中を靴で何回も何回も殴ってい

た。私にできることは「やめて!」と泣いて父親に叫ぶだけ。母親は「ごめんなさい」と謝っている。私は「お母さんは悪くない、悪いのはお父さんだ!」と心の中で叫んで

いた。
 父親は母と私がお風呂に入っていたときも、いきなり石炭の灰をお風呂の中に投げ込んだ。悔しいやら悲しいやらで涙がどんどんあふれてくる。と同時に父親に対して憎し

みが湧いてきた。そんな家庭の中で、もうひとつ私の心に封印したい出来事が起こった。
 それは私が小学3年生頃から6年生まで、近くの中学生に性的悪戯を
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