母からの贈り物

クロス・アディクション

母からの贈り物

 随分長い間、病気だと知らずに摂食障害とアルコールで、自分自身と周囲を傷つけてきました。大学に入学し下宿生活が始まった頃から、やせたい、でも食ベたいの心の葛

藤を満たすために、手当たり次第にむさぼり食ベ、食ベたら太るのが怖くて指を突っ込んで吐き出すことを覚えました。お腹が空っぽになってすっきりしたら、妙に落ち着い

た気持ちになったのです。そんなことが習慣になって1日1回はやらないと落ち着かず、とうとう手に吐きダコができるまでになってしまったのです。
 この過食にアルコールが加わったのは、21歳の頃でした。そして吐く、飲むのサイクルになっていきました。吐いた後にウイスキーを2、3杯がぶ飲みする、ちっともおい

しくないのですが、そうせずにはいられない。やがて飲んだ後には、前後不覚になって眠りこけ、失禁してるのも気がつかないようになっていきました。
 そんな私の姿に母が気づき、何度も叱責されました。「どうして、食ベたものを吐くの?」「どうしてそんなになるまで飲むの?」「あんたは意志が弱い!」「あんたが吐

くからトイレがつまるんや」「あんたの部屋に入ると変な匂いがするわ」言われるたびに傷つき、情けなく思いました。でも、やめる事ができませんでした。
 その後、両親から環境が変われば、私も変わるかもしれないという勧めもあって、私もだんだんうるさくなってくる母の側を離れたくて、適齢期の波に乗って軽。い気持ちで

結婚してしまいました。
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